職場には、なぜか「言いやすい人」に対して、会議や報告の場で熱心すぎる指導やアドバイスを重ねてしまう人がいます。
そうした行動の裏には、「自分の役割を果たしたい」「よくなってほしい」「自分の立場に対する小さな不安」など、さまざまな思いが複雑に絡み合っていることがあります。本人の中でも「しっかり伝えなければ」という意気込みが、つい大きくなりすぎてしまっているのかもしれません。
お互いのために少し距離を置くのが望ましいですが、仕事の中で避けられない場合もあります。例えば、「会議の場での直接報告」です。
1対1なら静かに受け止められても、周囲の目がある前で強い指摘が続くと、心はどうしても疲れてしまいますよね。
心の負担をそっと軽くする「手放し」の視点
かつての私は、こうした会議の場に強い苦手意識を感じていました。
相手の指摘に対してうまく説明がかみ合わず、報告が終わるたびに「またうまくいかなかった……やっぱり自分はダメだな」と落ち込む日々。周囲の同僚たちから「いつものことだ」と陰で呆れられているのではないかという被害妄想に近いモヤモヤが膨らみ、肩に余計な力が入っていたからです。
今振り返ると、私の心を重くしていたのは相手の言葉そのもの以上に、自分の中にあった「こうあらねばならない」という思いでした。
- 「いつも周りから認められていたい」という思い
- 「周囲と比べて立ち遅れたくない」という焦り
- 「その場の空気を自分の力でうまく収めたい」という願い
こうした一生懸命さゆえの思いを強く抱きしめたまま会議に臨むと、説明が噛み合わなかった時のショックや周囲の目が何倍もの重荷になり、心が過剰に傷ついてしまいます。
逆に、「完璧に話せなくても大丈夫」「今日の会議を終えられただけで、自分はよくやった」と気持ちを緩められている時は、同じ言葉を受け取っても、ずっと穏やかでいられました。
逃げられない会議での「心がラクになる」話し方
熱量が上がりすぎている相手に対し、会議の場で心をすり減らさずに乗り切るための「やさしい立ち回り」です。
1. 相手の熱量に飲み込まれず、短く返し、説明を重ねない
説明がかみ合わなくなってきたら、無理に言い返して理解させようとせず、「ご指摘ありがとうございます。〇〇の確認が不足しておりました」と事実だけを短く、柔らかく受け止めるようにします。説明を重ねない方が、会話の泥沼化を防ぎ、その場の波風が静まりやすくなります。
2. 話の方向を「これからできること」へ向ける
「なぜうまくいかないのか」という過去の追及に対しては、「今後は〇〇のやり方に変更して進めてみますね」と、これからの前向きな行動(アクション)に静かに視点を移します。相手も次のステップが見えることで、安心して話を変えやすくなります。
3. 言われた瞬間の「モヤモヤ」をその場に置いておく
会議中に少し強い言い方をされても、「あ、いま相手の方も一生懸命になりすぎているんだな」と客観的に眺めてみます。自分自身の人格や価値への評価として心の中に抱え込まず、その場の出来事としてそっと流す感覚を持ってみます。
自分に合った「心地よいかわし方」を見つける
逃げ場のない会議室で、相手の強いエネルギーと正面から向き合い続ける必要はありません。
「うまく見せなきゃ」「周りの目を気にせず成果を出さなきゃ」という重い荷物を少し降ろしてみると、相手の厳しい言葉も、ただ通り過ぎていく風のように感じられることがあります。
最初からうまく対応できなくても大丈夫です。「今日は一礼だけして静かに聴いてみよう」「次は言葉数を少なめにして淡々と答えてみよう」と、自分を試すような気持ちで、一番心がラクにいられるコミュニケーションを探してみてください。
会議が終わったら、ゆっくり深呼吸をひとつ。相手の感情にあなたの貴重な心を委ねる必要はありません。自分自身の歩幅を大切に、『今日もよく頑張ったな』とそっと自分を褒めてみるのもいいかもしれません。


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