月曜日の朝、出社してパソコンを開いた瞬間に飛び込んでくる「組織改編」や「方針変更」の通知。あるいは、昨日まで進めていたプロジェクトが上層部の一言で白紙に戻る瞬間。
かつての私は、こうした突然の決定や社内の不条理に直面するたび、「なぜこんな無意味なことをするのか」「現場の苦労を何も分かっていない」と強烈な怒りと抵抗感を抱いていました。憤りに任せて同僚に不満を漏らしたり、なんとか以前のやり方を通そうと力ずくで抗ったりしては、結局どうにもならずにただただ心をすり減らしていたのです。
けれど、どれだけこちらが正論を叫んだところで、組織という巨大な仕組みの決定を個人の力で覆すことはめったにありません。
思い通りにならない社内の決定を、自分の力で変えようとするのをやめてみる。それは「台風や大雨」のような自然現象として静かに受け流すための、小さな練習でした。
雨と戦うのではなく、淡々と傘をさす
空に向かって「なんで今日に限って雨が降るんだ!」と怒る人がいないように、社内の不条理もまた、自分ではコントロールできない「天気」のようなものだと捉え直してみます。
自分の及ばない外部の環境にいくらエネルギーを注いでも、状況は変わりません。戦うべきではない相手や環境に対して真っ向から感情をぶつけるのは、自分自身の貴重な資源(時間や体力)をいたずらに浪費してしまうだけです。
「あぁ、今日は急な雨が降ってきたな」
そう思えたら、感情を揺さぶられる前に、ただ淡々と傘をひらく。急な方針変更があれば「では、この制約の中で自分ができる最小限の手続きは何か」と、手元の作業にだけ視点を戻す。状況に逆らわず、その場でできる必要最低限の対応を淡々とこなすことで、自分の心身の領域をしっかりと守ることができます。
「自分の手の中にあるもの」だけに集中する
組織の方針や上司の機嫌、理不尽なルール変更の決定権は、最初から自分の手の中にはありません。一方で、与えられた環境の中で「今日どのタスクから手をつけるか」「どんな態度で目の前の作業に向き合うか」という選択権は、常に自分の手の中に残されています。
コントロールできないものに心を奪われそうになったら、そっと自分の足元へ意識を引き戻す。
完璧な成果や理想の環境を求めるのではなく、「今の雨風をしのぐために、今日できる小さな一歩」に集中する。流されるように見えて、実は自分の中心をブレさせないためのしなやかな立ち回りです。
自分なりの「受け流し方」を試してみる
不条理に対する受け流し方や折り合いの付け方に、唯一絶対の正解はありません。
「方針変更の連絡が来たら、まず深呼吸をして温かいお茶を1杯飲む」という儀式を作るのがしっくりくる人もいれば、「変更理由を深く追究せず、言われた手順通りに機械的に処理する」という割り切り方が合う人もいます。
大切なのは、誰かが言っていた対処法をそのまま真似することではなく、日々の小さな揺らぎの中で「こう考えると心が波立たないな」「この対応ならエネルギーを奪われないな」という、自分なりの工夫を一つひとつ見つけて実践していくことです。
外の天気はコロコロと変わり、時には思いもよらない嵐が吹き荒れることもあります。
それでも、自分の中に小さな傘を一本用意しておけば、どんな雨の日でも静かに歩みを進めていけるはずです。
【ご留意事項(免責事項)】 ※本記事で紹介している思考法やキャリア観は、筆者の実体験および組織論・自己管理のアプローチに基づく個人的な知見です。職場環境での深刻なストレスやメンタルヘルスの不調を感じている場合は、自己判断に頼らず、専門のカウンセラーや医療機関、各種相談窓口にご相談いただくようお願いいたします。


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