「誰の役にも立てていない」気がする日に。自分の「手元」だけを見る練習

承認欲求・自己評価

夕方、会社のパソコンを閉じる直前、急に胸の奥がすーっと冷たくなるような感覚に襲われることがあります。

「今日、自分は何か価値のある仕事をしただろうか」 「周囲の同僚たちは大きな案件を動かしたり、華やかな成果を出して感謝されているのに、自分はただ雑務をこなしただけで一日が終わってしまった……」

SNSを開けば同世代の輝かしい活躍が目に入り、職場の会話では大きなプロジェクトの話題が行き交う。そんな景色と自分を比べては、強烈な無力感や焦りに飲み込まれそうになる夜もあります。


大きな貢献を目指すのを、そっとやめてみる

「もっと人の役に立つ仕事をしなければ」「社会や会社に大きなインパクトを与えなければ価値がない」

そうやって自分で作った高いハードルに押し潰されそうになっていたとき、ある考え方に触れました。

私たちはつい、目に見える大きな成果や、誰かからの明確な賞賛ばかりを追いかけてしまいがちです。けれど、どれほど大きな大河も、始まりはたった一滴の水滴が集まったもの。自分の力ではどうにもコントロールできない「大きな成果」や「他人の評価」に執着するのをやめ、意識のピントをぐっと手元まで引き戻してみることにしたのです。

大きなことを成し遂げようとするのではなく、今この瞬間に自分の目の前にある「ひとつの作業」だけに心を込める。それだけで、乱れていた心の軸が少しずつ整っていくのを感じました。


1件の連絡、1枚の書類にただ淡々と心を込める

「誰の役にも立てていない」と感じる日に試してほしいのは、自分の視野を極限まで小さくすることです。

  • 受託している1件のメール返信に丁寧に向き合う
  • 目の前にある1枚の書類作成を、ただ淡々と綺麗に仕上げる
  • デスクの上を拭き、使ったペンを一本正しく元に戻す

全体から見れば、それは取るに足らない小さな作業かもしれません。誰かから熱狂的に感謝されることもないでしょう。

けれど、投げやりにならず、目の前のひとつの作業に集中して手先を動かしていると、「過去の後悔」や「未来への不安」、そして「他人との比較」から意識が切り離されていきます。

世界を動かすような大きな影響力を持たなくてもいい。今、自分の手元にあるタスクを丁寧に全うすること。その小さな営み自体が、巡り巡ってどこかの誰かの滞りをなくし、静かに巡っていく基盤になっています。


自分の「手元」だけを見つめて歩く

完璧な人間になる必要も、常に誰かのヒーローでいる必要もありません。

もし今日、「自分は無力だ」と感じて心が波立っているのなら、遠くの華やかな景色を見るのを一度やめてみてください。

そして、いま目の前にある仕事、いま手に取っている書類、今日最後に行う1つの連絡にだけ、そっと意識を注いでみる。自分の「手元」だけに集中する時間は、きっとあなたの心に静かな強さを取り戻してくれます。

【ご留意事項(免責事項)】 ※本記事で紹介している思考法やキャリア観は、筆者の実体験および組織論・自己管理のアプローチに基づく個人的な知見です。職場環境での深刻なストレスやメンタルヘルスの不調を感じている場合は、自己判断に頼らず、専門のカウンセラーや医療機関、各種相談窓口にご相談いただくようお願いいたします。

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